Japan Lawyers Guide 2022
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03年慶應義塾大学経済学部卒業。08年弁護士登録(東京弁護士会)、TMI総合法律事務所入所。13年厚生労働省大臣官房総務課勤務。16年TMI総合法律事務所復帰。17年厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部参与就任。21年パートナー就任。00年慶應義塾大学医学部医学科卒業。09年早稲田大学大学院法務研究科卒業、11年横浜地方裁判所第8民事部(通常部)判事補。14年イギリスウォーリック大学ロースクール客員研究員(裁判所派遣)。21年弁護士登録(東京弁護士会)、TMI総合法律事務所入所。06年一橋大学法学部卒業。10年早稲田大学法科大学院修了。11年弁護士登録(第二東京弁護士会)。12年TMI総合法律事務所入所。20年東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科医療管理政策学修士課程(MMA)修了。い”と言われています。医師としての経験がどう活かせるかはこれからの課題でもありますが、医療機関などの医療安全への対応をはじめ、医療・ヘルスケアプラクティスグループの中であらゆる相談にお応えしていこうと考えています。例えば医師法・医療法の解釈・適用が問題になるご相談はもちろん、医療関連の新たな製品やサービスについても医師の立場からより深く理解できたり、そうしたサービスが医師にとってどれほど響くものなのかといった判断ができますし、医療過誤訴訟などでは、医師と裁判官の経験から、裁判ではどのような結論になりやすいのか、医師として納得できない点はどこなのかといった説明もできると思います。加えて、心臓弁の血管新生を抑制する因子を世界で初めて発見するなど、以前は分子生物学の研究にも携わっていました。そうした経験を活かして、研究開発のサポートなども行っていきたいと考えています」(吉岡弁護士)。 吉岡弁護士とほぼ同時期に、順天堂大学医学部付属順天堂医院の院長を務め、上皇陛下の冠動脈バイパス手術を手がけた天野氏が特別顧問として入所。「天野先生の存在は大きく、今後はより広く医療機関や民間企業からご依頼をいただけるようになるのでないかと思います。そこで医師でもあり弁護士でもある私をはじめとした弁護士が天野先生をサポートし、ときには医療の領域に大きく踏み込みながら、新たなクライアントに安心感を与え、長きにわたる良好なパートナーシップを築いていく。そうした点において貢献することも、私の役割だと思っています(吉岡弁護士)。 日本ではこれまでは大きな隔たりのあった医療とビジネス法務。同事務所の医療・ヘルスケアプラクティスグループに在籍する約40名の弁護士や弁理士が担うのは、まさに両者の架け橋としての役割だ。プラクティスグループメンバーの一人である小林貴恵弁護士は、弁護士となって8年目で東京医科歯科大学大学院に通い、医療系のMBAともいえるMMA(医療政策学修士)を取得。「大学院では、医師や看護師、医療機関の経営陣、医療機器などを開発している企業の方々と共に学び、ディスカッション形式の授業では、そうした皆さんが現場でどのような悩みを抱えているのかをお聞きしたり、解決策について議論したりする機会が多くありました。また、修士論文を作成する中で、研究者がどのようなところで悩みを抱えるのかということについても、理解を深めることができました。現在は、医療機関や製薬会社、医療ベンチャーなどからのご依頼に応じ、さまざまなお仕事をさせていただいていますが、現場の悩みに対していかに弁護士が共感できるかという点は、医療と法務の隔たりを埋める上でも大切な要素であると実感しています」(小林弁護士)。 小林弁護士は、医療機関や製薬会社への駐在も経験、臨床研究を審査するために外部有識者等で組織される倫理委員会のメンバーにも名を連ねる。森安 博行 弁護士Hiroyuki Moriyasu吉岡 正豊 弁護士Masatoyo Yoshioka より重要度を増す知財戦略 知的財産分野において、早くから弁護士と弁理士が協働する体制を整え、質の高いリーガルサービスを提供してきたことから、“知財のTMI”との呼び声も高い。そんな同事務所の強みは、もちろん医療・ヘルスケアの分野でも大いに活かされる。 「特に医療業界の裾野が広がり、異業種からの新規参入が増えている現在は、依頼者のご相談も特許だけでなくさまざまな周辺業務に及びます。特に、法務のご相談にあわせて特許関連のご相談を受けることも多くなっており、小林 貴恵 弁護士Kie Kobayashi

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