Japan Lawyers Guide 2022
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■所属弁護士等■沿革2016年8月設立■過去の主要案件▽本邦初の上場会社の公開買付け(新株発行・自己株式処分との複合取引)▽上場会社の共同持株会社の設立▽アフリカ地域進出のための合弁出資案件▽国内・海外両方における上場会社の役職員向け株式報酬の制度設計・株式交付などDATA弁護士10名、外国(中国)弁護士1名(2021年12月現在) 主な顧客は伝統的な上場企業・金融機関の法務(コーポレート全般、CG、各種M&A、金商法対応、国際法務、データ保護等)が基礎となるが、新規顧客の開拓・獲得と後進育成に“Going Extra Mile”の気概が緩むことはない。「開設から5周年を迎え、まだまだ拡大途上です。スピード感あるレスポンスを重視していますので、先端分野やIT企業などとも親和性が高いと思います。組織面では、パートナー制を2021年初めに導入。若手アソシエイトに対するパートナーの割合を近似した水準に揃えOJTで手厚い教育を施すことで自分自身で考える習慣を定着させ、健全な自尊心と積極性と共感力を高めていけるよう鼓舞する。若手の活性化が、事務所全体として顧客満足度が一層高いパフォーマンスの発揮につながります。リーガル・テック(AI)は、自動翻訳やライブラリーなどの一般事務の効率化に活用しています。その結果捻出できた時間で、若手がベテラン層から“生きた”教育を受け、確かな応用力を身につける機会として契約作成・審査等の実務に取り組んでいます」。で実施・開始するのが適切であるのか、なぜこの手法で実施するか、なぜ他の提案に対してYES/NOなのか、財務上・事業上の数値の推移も根拠として重要ですが、動因から結果(企業価値の向上)までを筋道立てて、私自身が客観的第三者として“正しく説得されるか”という視点で依頼者と考え抜く。あくまで事業を知り、動かす主体は依頼者ですから、ときには“つまりこういうことですね”と気付きを提供し、当事者であっても脱落しがちなピースを埋め、筋道を明確にしていくスタイルを心がけています」。 ことガバナンス・システムについては、まずは業界最大手が採用し、それから二番手以降の企業に段階的に採用・更新される傾向があり、国や監督主体の“次なる一手”を予測しながらアドバイスをするのが効果的と山下弁護士は語る。「社外取締役の義務化の議論が典型的ですが、当局は、先進的な欧米のシステムに追随しながらも、日本企業が新制度の導入に踏み切れるよう極めて綿密な計画を立て、規則改正や法改正といった諸施策を展開しています。まずはカタチだけという導入姿勢には議論もあるところです。しかしまずはカタチからでも、関係者や会社自体が徐々に新制度に慣れ、そのよさを自ら発見し、また市場の公正性を担う当事者との意識付けが醸成されることで、よりよい道が着実に開けていくことを期待しています」。 山下総合法律事務所と歩む先は、道なき道から希望の見える道へと変わり、やがて多くの顧客企業が確かな安心感と自信をもって歩を進める“新たな道”となる。山下 聖志弁護士Seiji Yamashita 98年東京大学法学部卒業。02年弁護士登録(東京弁護士会)、柳田国際法律事務所入所。05~07年国内大手証券会社法務部門出向。10年米国ミシガン大学ロースクール卒業(LL.M.)。11年ニューヨーク州弁護士登録。12年柳田国際法律事務所パートナー就任。16年山下総合法律事務所設立。現在、同代表パートナー弁護士。 ガバナンス・システムの刷新やIR充実化に 理路整然とした“ストーリー”を CGコードの改訂や会社法改正に伴い、ガバナンス・システムの刷新やIR充実化の議論が真っ盛りだ。そんな中、同事務所の実績と対応力に惹かれ、同じ“Extra Mile”を共有する企業が時を追うごとに増えている。「株式報酬制度および業績連動型報酬制度の検討・導入が好例です。国内大手企業数社におけるTSR(Total Shareholder Return:株主総利回り)の成長率を報酬算定のベースとした制度導入は市場でよい評価を受けています。海外子会社5〜6社を対象として日本の親会社の上場株式を報酬として交付する先端的な取り組みも実現に至り、同社グループにおける優秀な社員の確保や役員・従業員のインセンティブやロイヤリティ(忠誠心)向上に寄与したとの声も届いています。また、株主の多様化に向けたアドバイスや株主総会・取締役会の適正運営、IRを含む開示の充実等が挙げられます。特に開示については、役員報酬に引きつける形でのSDGs・ESG等の国際指標に対応した経営計画の開示やガバナンスの内容・有効性について、株主に対する効果的かつ一貫性のある説明の仕方についても助言しています」。 いわゆるM&A取引・組織再編取引にかかる第三者委員会の委員経験も豊富な山下弁護士は、企業法務に高い対外性が求められる現状にあってこそ、会社内部において理路整然としたストーリーを備えることが重要と説く。「例えば特定のM&Aの遂行にあたり、なぜこのタイミング

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