Japan Lawyers Guide 2022
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淵邊弁護士 INCAの特徴として、まず会員構成が挙げられます。会員数が100程度と少なめながら、当該企業の属性は製造・非製造、会社規模や法務部門の大小、B to B と B to C、上場・非上場など多様性に富んでおり、参加者の年代もバランスが整っていますね。 大槻氏 月例会および分科会の開催に加え、会社法や知的財産法、労働法など会員共通のコアな法令を中心に研究会を開き、情報を交換・共有することをINCAの基本活動としています。外部弁護士や企業法務担者との協働にも積極的であり、淵邊先生には倒産法研究会での講演等サポートいただいています。また、INCAは会員相互の親睦を深めることを何よりも重視し、年1回の研修合宿、年数回の懇親会等を通じて若手と中堅・ベテラン層が互いに学び合いながら大いに刺激を受けています。直近はコロナ対応のためオンライン開催となりましたが、宴会セットの自宅配送サービスを活用し、合宿さながらの雰囲気でした。 淵邊弁護士 専任スタッフを1名(事務局長)と最小限に抑え、活動の中身とリソースを原則として所属会員に委ねる“手弁当”のスタイルを貫いていることも特徴的です。 北島氏 この姿勢には二つのメリットがあると考えます。まず、事務局がテーマ選定や活動を主導するのではなく、会員相互の話し合いで会を進行するため、活発な意見交換が可能になります。次に、意欲的に参加する人にとっては、会の構想から企画・運営までを引き受けることでプロジェクト・組織を動かす練習を積むことができます。一連の作業を通じて、法令知識の習得はもちろん、発表時のプレゼン能力を高める副次的効果も得られることに大きな価値を見出しています。 淵邊弁護士 INCAには“一人法務”の会員企業も多いですが、この点、国内外を問わずネットワークの柔軟な構築・支援が得られる体制は大変魅力的に映ります。 大槻氏 具体的な法対応・実践に不安を覚えた際に、INCAでの横のつながりは非常に心強いと同時に、各人の業務の進め方に照らして、従前の思考の枠組みを越えた新たな“気付き”が多く得られるはずです。法令に関する疑問の解消のみならず、「事業進出先の海外でよい弁護士を紹介してほしい」といった依頼も多く、会員企業間で国内外における法務課題の解決に有用な情報交換がスムーズに行えるものと期待します。 北島氏 社内業務にこもりがちな法務担当にとって“外の空気”と接することは特に若手社員の研鑽のため有用なところ、INCAに所属すれば自然とその時間が手少人数でバラエティ豊かな会員企業相互交流と部会の主体的運営で深まる親睦と実務スキル自社では解消されない疑問・不安を解決に導く会員同士が結ぶ国内外のネットワーク多様な業界・業態、年次の会員同士を強く“結ぶ”活動の企画・運営、参加を通じて個々のスキルを“磨く”

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