弁護士リクルートガイド2022
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DATA■代表弁護士の所属弁護士会東京弁護士会■所属弁護士等弁護士10名、外国弁護士1名(2022年1月現在)■沿革2016年8月設立■過去の主要案件本邦初の上場会社の公開買付け(新株発行・自己株式処分との複合取引)、上場会社の共同持株会社の設立、アフリカ地域進出のための合弁出資案件、上場会社の役職員向け株式報酬の制度設計・株式交付など■お問い合わせ先recruit@y-lawoffice.com使った新しい報酬制度を導入した件がある。新聞・メディアでも報道されたが、国内だけでなく海外の社員を全員対象にしているという事例は日本でほぼ初めてだったとのことで、大変な部分も多かったという。「実は日本の会社の株式を海外の従業員に渡すことは、簡単ではないのです。当然、日本の法規制だけではなく海外の法規制も守らなければなりません。証券会社などの株式振替の実務にも対応する必要があります。さらに、今回の場合は米国でしたが、日本のやり方と米国のやり方も異なるため、日本の本社の意向を丁寧に現地に伝えることが、導入の成功のためには不可欠でした」。 現地の法規制と日本の法規制の両方の適用がある場合、米国の弁護士と調整し、できる限り1回の手続や1種類の書類で両方の規制を守れるよう工夫した。また、権利意識がはっきりしている米国らしく、相手が親会社であってもはっきり意見を言う場面があり、本社サイドと一緒にその利益調整には心を砕いたという。 「実は、こういう案件こそ、私たちが存在価値を発揮できるのではないかと思うのです。まずは複数の法規制をきちんと整理して安心していただく。その上で、“こういうアプローチなら現地も受け入れやすいだろう”と、本社の担当の方々と試行錯誤しながら、一緒に対策を練っていく。実にやりがいの大きい案件でした」と明るい表情で語った。 それが功を成したのか、無事案件がリリースされた時、本社の担当者に感謝されただけでなく、米国の現地の担当者にも感謝されたという。「クライアントから聞いたままを言いますと、案件が無事着地した後に、今回の案件の良かった点、今後改善していく点を日本・米国間の定例会議でレビューしたそうですが、その“良かった点”の一つ目に“Yamashita Law”が出てきたのだそうです。一番苦労されたのは本社のご担当の方々ですが、私たちも並べていただいてありがたいなと。本当に嬉しかったですね」。 このようにクライアント満足度が高い同事務所は、一度関わった企業から再度案件を依頼されることも多く、案件の相手側の企業から「顧問弁護士になってほしい」と指名を受けたこともあるという。「おそらく私たちの仕事の進め方や、どういうふうにお客様の役に立てるかという考え方に共感してくださっているのだろうと思います。本当にありがたいことですね」と山下弁護士は笑顔を見せた。若い人が活躍・成長し、器の大きな法律事務所に 山下総合法律事務所は、“きめ細やかな対応”という要請に応えるために、積極的に弁護士を採用している。2021年には新人弁護士が2名、経験弁護士が1名入所し、2022年4月には新人弁護士4名が加入予定。これで弁護士14名、外国人弁護士1名の陣容となる。山下弁護士一人で始まった事務所が、確実に成長を続けているわけだが、「単に事務所を大きくしたいというよりも、一人ひとりがしっかり成長することで広がっていきたいと思っています」と山下弁護士は言う。 「そもそも若い人たちに活躍してほしいという気持ちから、独立して事務所を設立しました。お客様に信頼される弁護士になってもらえるよう、時に厳しいことも言いますが、言い続ければ必ず分かってくれる瞬間が来ると信じているんですね。そうすれば、今度は彼らがその後輩たちに同じように指導してくれるようになる。そうすることで若い人たちが成長し、ますます事務所としての器が広がっていきます」。 実際に、同事務所の若手弁護士が友人から紹介された中国の上場企業(NASDAQ市場)を代理し、日本の大手商社との合弁会社設立をやり切ったという実例もあるという。「理想は、事務所のメンバーが、それぞれの強みを活かして仕事を頼まれ、良いクオリティの仕事をし、クライアントと事務所のほかのメンバーをきちんとケアできるようになっていくことです。所属する一人ひとりが成功して、それが全体の成功になる。そのような事務所を一緒に作っていきたいですし、その志に共感する若い人たちに、ぜひ当事務所の門を叩いてほしいですね」。

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